真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
ーーターミナル到着後、検疫と入国審査を終えた俺は大きなキャリーケースを手荒く引きながら、脇目もふらずに空港の出口を目指した。
事前に予約しておいた迎えのタクシーは、おそらくまだ来ていない。
だけど、こうして急いで外に出るのは、約3ヶ月ぶりの日本の空気を身体に感じたいから。
出口に向かう途中で目にする、所々に記された日本語に安堵感を得ながら、清々しい外の光を集めるガラスの扉を、吸い込まれるように潜り抜けた。
帰ってきた......。
生まれた街に、そして何よりも愛する女(ひと)のもとへ。
俺は、それまで片時も離さず握っていたキャリーケースの持ち手から手をパッと離すと、誰も見ていないことを良いことに空へ向かって大きく背伸びをした。
突き上げた拳に感じた太陽の熱が、疲労と緊張で凝り固まった身体を心地よく弛緩させて、更に新たな活力を与えてくれた。
仕事モードから完全に解放された俺は早速、今夜、彼女へプロポーズするための準備が万端に整っているか、予約しておいたレストランへ電話をかけた。
「......今日、19時に予約の成瀬ですが。はい、そうです。それで、お願いします。”結婚してください”で......」
事前に予約しておいた迎えのタクシーは、おそらくまだ来ていない。
だけど、こうして急いで外に出るのは、約3ヶ月ぶりの日本の空気を身体に感じたいから。
出口に向かう途中で目にする、所々に記された日本語に安堵感を得ながら、清々しい外の光を集めるガラスの扉を、吸い込まれるように潜り抜けた。
帰ってきた......。
生まれた街に、そして何よりも愛する女(ひと)のもとへ。
俺は、それまで片時も離さず握っていたキャリーケースの持ち手から手をパッと離すと、誰も見ていないことを良いことに空へ向かって大きく背伸びをした。
突き上げた拳に感じた太陽の熱が、疲労と緊張で凝り固まった身体を心地よく弛緩させて、更に新たな活力を与えてくれた。
仕事モードから完全に解放された俺は早速、今夜、彼女へプロポーズするための準備が万端に整っているか、予約しておいたレストランへ電話をかけた。
「......今日、19時に予約の成瀬ですが。はい、そうです。それで、お願いします。”結婚してください”で......」