真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
ランチタイムに実加はこっそり、横澤さんと付き合うことになったと教えてくれた。

「よかったね!おめでとう!」

「ありがとうっ!優花が色々と相談に乗ってくれたおかげだよ。励まされたし、自信が持てた。だから、勇気を出して告白することができたの」

何事にも積極的でオープンな実加。それは恋愛に関しても例外なく。

そんな彼女が朝、横澤さんとの交際を隠すように、彼へぎこちない挨拶をしたのは全て横澤さんの気持ちを考えたからだ。

私の知る限り。横澤さんは何事にも思慮深くて石橋を叩いて渡るような人柄だ。

だから社内恋愛をしていることも、周りに気を使わせたりして何かと仕事がやりづらくならないようにと、公にはしたくないはずだ。

そんな横澤さんの気持ちを汲み取って。実加は朝、交際を隠すように彼へ敬語で挨拶をしたんだ。

実加が横澤さんの気持ちを汲んだように。横澤さんも実加の気持ちを考えて、本当は社内の誰にも内緒にしたかったはずなのに、自分と実加が付き合っていることを私に話していいと言ったんだ。

恋人同士になるということは、独りが二人になるということ......。

それが見事に。お互いの足りないところを補い合うように、まるで正反対のタイプを好きになったりする。

実加と横澤さんカップルを見ていると、つくづくそう思う。

そして広務さんと私も、まさしく月とスッポン。
 
そう考えると、彼と私も良いカップルになれるのでは......? 

でも、私。スッポンのままじゃ嫌だな。

ちゃんと広務さんに釣り合う女になりたい。

広務さんの彼女って紹介されても、恥ずかしくない女性に。

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