真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
「成瀬様、行ってらっしゃいませ」
エレベーターから降りた俺はコンシェルジュに見送られてマンションを出ると、地下の駐車場に駐めてある愛車まで急いだ。
エンジンをかけると、カーステレオに表示された時刻は15時20分。ここから彼女の会社まではおよそ30分ほど、終業時刻までに、十二分に間に合う時間だ。
オーダーしておいたバラの花束を受け取りに生花店へ立ち寄っても、まだ余裕がある。おそらく、彼女の会社へ到着する時間は4時半頃。
30分の待機時間かーーだけど、こういう特別な日は、あえて待ちたいものだ。
自分は意外にロマンチストなのか?それとも、やはりイタイ奴なのか......。
そのどちらでも。全ての要因は、俺の彼女への溺愛。
俺はサイドミラーに映った、彼女へプロポーズするためにキメすぎたかもしれない自分の服装に、今更ながら若干の羞恥心を覚えつつ、シートベルトを締めてハンドルを握った。
地下駐車場の上り坂を駆け上がり街へ繰り出すと、昼下がりの柔らかな光線が車内へ幅広く差し込んだ。
無垢な光を追いかけるように愛車を走らせて、程なくして着いたのは、彼女へ贈る深紅のバラの花束をオーダーしておいた生花店。
「リボンは赤とピンク、どちらになさいますか?」
「......ピンクで」
男の口から”ピンク”という言葉を発するのは、とてつもなく恥ずかしい。でも、どうしてもピンクのリボンをつけたバラの花束を彼女へ贈りたかった。
優花は外見のクールな印象とは対照的に、心は柔和で繊細で寂しがり屋な甘えん坊のーー俺の、かわいい女(ひと)......。
だからビビットな色よりも、ほんわかとしたパステルカラーが似合うと思った。
ピンクのリボンがかけられたバラの花束を受け取った俺は、車へ戻ると、すぐさま花束をトランクに隠して再びアクセルを踏んだ。
エレベーターから降りた俺はコンシェルジュに見送られてマンションを出ると、地下の駐車場に駐めてある愛車まで急いだ。
エンジンをかけると、カーステレオに表示された時刻は15時20分。ここから彼女の会社まではおよそ30分ほど、終業時刻までに、十二分に間に合う時間だ。
オーダーしておいたバラの花束を受け取りに生花店へ立ち寄っても、まだ余裕がある。おそらく、彼女の会社へ到着する時間は4時半頃。
30分の待機時間かーーだけど、こういう特別な日は、あえて待ちたいものだ。
自分は意外にロマンチストなのか?それとも、やはりイタイ奴なのか......。
そのどちらでも。全ての要因は、俺の彼女への溺愛。
俺はサイドミラーに映った、彼女へプロポーズするためにキメすぎたかもしれない自分の服装に、今更ながら若干の羞恥心を覚えつつ、シートベルトを締めてハンドルを握った。
地下駐車場の上り坂を駆け上がり街へ繰り出すと、昼下がりの柔らかな光線が車内へ幅広く差し込んだ。
無垢な光を追いかけるように愛車を走らせて、程なくして着いたのは、彼女へ贈る深紅のバラの花束をオーダーしておいた生花店。
「リボンは赤とピンク、どちらになさいますか?」
「......ピンクで」
男の口から”ピンク”という言葉を発するのは、とてつもなく恥ずかしい。でも、どうしてもピンクのリボンをつけたバラの花束を彼女へ贈りたかった。
優花は外見のクールな印象とは対照的に、心は柔和で繊細で寂しがり屋な甘えん坊のーー俺の、かわいい女(ひと)......。
だからビビットな色よりも、ほんわかとしたパステルカラーが似合うと思った。
ピンクのリボンがかけられたバラの花束を受け取った俺は、車へ戻ると、すぐさま花束をトランクに隠して再びアクセルを踏んだ。