真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
はい。またLINEしてください。

いえ、いつでもLINEしてください。

LINEと言わずに、電話してください......。

ーー広務さんの声が聞きたい。

でも。彼は、まだ仕事中だし。

たとえ仕事が終わっても。残業後なんてすごく疲れてるだろうし、電話なんてしたらきっと迷惑だろうな......。

......広務さん、いつも残業してるのかな?

それも、あり得る。

LINEのメッセージを読んでても思うけど、真面目で責任感が強そう。

仕事を後回しにするとか絶対にしなさそう。

思えば。広務さんの第一印象は”真面目そうな人”だった。

顔立ちが整っているから、余計にそう思ったのかもしれない。


私が結婚相談所に、お相手の紹介を頼む時に最優先した条件は職業だった。

国家資格保有者であることを第一条件に、そこへ色々と細かい条件を付け加えていった。

年収、学歴、年齢、身長、趣味、兄弟構成......。

それらの全ての条件を満たしてアドバイザーさんから紹介されたのが、広務さんだった。

お見合い当日、私はかなり気合が入っていた。

何しろお相手は、願ってもないハイスペックな男性ーー。

いつもは着ないような細身のワンピースに身を包み、清楚かつ堅実な印象を演出するために白いジャケットを羽織った。そして、足元は地味にならないようにと9センチのハイヒールを初めて履いた。

わざわざ美容院でヘアメイクをしてもらい、最低でも10分前に待ち合わせ場所に着くように行動した。

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