真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
混沌とした胸の内をひた隠しにして仕事をこなすこと8時間。そろそろポーカーフェイスも限界というところで、秒針が終業の時刻をさす。
「お先に失礼します」
無駄に会社に残ったって、やることなんか何も無いんだ。反対に頭の中は、整理することが山積みで.......。
私は、いつものように、そそくさと自分のデスクを片付けて、上司と課内全体に目を向けるように退社の挨拶をした。
案の定、定時きっかりに帰ったって怪訝な顔をする人は誰もいなかった。むしろ、無駄に残業なんてしたら、給料泥棒とも言われかねない。
それが、私の立場。お茶汲みOL.......。
お茶汲みOLはキャリア組と違い、何年、何十年会社にいたって、さほどの昇進は望めない。
それなら、いっそのこと結婚して、そのあとは仕事を続けるか、事情次第では専業主婦か、パートか。そういう人生のシナリオを描いた先に現れた広務さん。そして、ジーク。
その二人のどちらとも、本来、到底私なんかとは、とても釣り合わないハイスペックな男性達ーー。
きっと彼らは、私が退社後の夜を持て余している間も仕事に追われて、誰かを待ちぼうけさせていることすら思い出すことはないだろう.......。
だって、ほら。ニューヨークに旅立ってから一度も広務さんからの連絡は無い。
「優花!.......お疲れ」
「ジーク.......っ!」
「お先に失礼します」
無駄に会社に残ったって、やることなんか何も無いんだ。反対に頭の中は、整理することが山積みで.......。
私は、いつものように、そそくさと自分のデスクを片付けて、上司と課内全体に目を向けるように退社の挨拶をした。
案の定、定時きっかりに帰ったって怪訝な顔をする人は誰もいなかった。むしろ、無駄に残業なんてしたら、給料泥棒とも言われかねない。
それが、私の立場。お茶汲みOL.......。
お茶汲みOLはキャリア組と違い、何年、何十年会社にいたって、さほどの昇進は望めない。
それなら、いっそのこと結婚して、そのあとは仕事を続けるか、事情次第では専業主婦か、パートか。そういう人生のシナリオを描いた先に現れた広務さん。そして、ジーク。
その二人のどちらとも、本来、到底私なんかとは、とても釣り合わないハイスペックな男性達ーー。
きっと彼らは、私が退社後の夜を持て余している間も仕事に追われて、誰かを待ちぼうけさせていることすら思い出すことはないだろう.......。
だって、ほら。ニューヨークに旅立ってから一度も広務さんからの連絡は無い。
「優花!.......お疲れ」
「ジーク.......っ!」