真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
ジークは当たり前のように私にそう言うと、フラットに手を振りながら愛車が駐まっている地下駐車場へと降りて行った。
ここ最近の私は、そんなジークの態度に「うん、分かった」の二言で応じていた。
でも今日は何の言葉も返さずに、去っていくジークの姿を傍観していた。
ジークとの関係に急速に歯止めをかけたもの。それはもちろん、広務さんから贈られたエンゲージリング。
あれは返すと決めたもの.......。
私は、またもやエンゲージリングに思考を支配されそうになりながらも、足止めだけは食らうまいと、必死に歩いて何とか遅刻ギリギリに職場方面へと向かう電車に飛び乗った。
通勤ラッシュということで車内は密集。それでも、いつもは座れるけど、今日はつり革にすら掴まれなかった。
つり革の代わりに両手でバッグの持ち手を掴んで電車に揺られていると、一瞬バッグが振動したような気がして中を覗いた、するとスマホが緑色のサインを送っていた。
「おはよう。今頃電車の中かな? せっかちで、ごめん。昨日の今日なのに、またすぐに優花に会いたくなった。今週末の予定はどうかな? 久しぶりに車で、どこか行こうーー」
案の定。スマホが緑色のサインを送っているということはLINEの着信で、その送り主は広務さんだった。
まだ、ご両親にお会いする。か、しないか.......。という返信をしていないのに、今週末のデートの誘い。
罪悪感と、もう一つ。言葉では、とても表現できない複雑な感情で胸が痛んだ。
たとえ自分の感情が言葉では表現できないものだとしても、私が彼へ伝えなければいけないことは分かる。
「広務さん、おはよう。今週末より、今晩会えない.......?」
ここ最近の私は、そんなジークの態度に「うん、分かった」の二言で応じていた。
でも今日は何の言葉も返さずに、去っていくジークの姿を傍観していた。
ジークとの関係に急速に歯止めをかけたもの。それはもちろん、広務さんから贈られたエンゲージリング。
あれは返すと決めたもの.......。
私は、またもやエンゲージリングに思考を支配されそうになりながらも、足止めだけは食らうまいと、必死に歩いて何とか遅刻ギリギリに職場方面へと向かう電車に飛び乗った。
通勤ラッシュということで車内は密集。それでも、いつもは座れるけど、今日はつり革にすら掴まれなかった。
つり革の代わりに両手でバッグの持ち手を掴んで電車に揺られていると、一瞬バッグが振動したような気がして中を覗いた、するとスマホが緑色のサインを送っていた。
「おはよう。今頃電車の中かな? せっかちで、ごめん。昨日の今日なのに、またすぐに優花に会いたくなった。今週末の予定はどうかな? 久しぶりに車で、どこか行こうーー」
案の定。スマホが緑色のサインを送っているということはLINEの着信で、その送り主は広務さんだった。
まだ、ご両親にお会いする。か、しないか.......。という返信をしていないのに、今週末のデートの誘い。
罪悪感と、もう一つ。言葉では、とても表現できない複雑な感情で胸が痛んだ。
たとえ自分の感情が言葉では表現できないものだとしても、私が彼へ伝えなければいけないことは分かる。
「広務さん、おはよう。今週末より、今晩会えない.......?」