真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
後ろ背に聞こえた上司の声で我に返った。
ーー何を言ってんだ俺は。仕事中なんだから、集中しろ。
迂闊にも、ふとしたきっかけで彼女のことを思い出してしまった自分に喝を入れて、気を取り直して後ろを振り返る。
「おはようございます」
俺は、さっきの事は聞かなかった事にしてくれと言う意味合いも込めて、わざとらしいくらい爽やかに常務に挨拶をした。
「おはよう。朝からそんなに爽やかな笑顔されると、逆に胸焼けがするな(笑)」
「あははっ、それも、そうかもしれませんね(笑)」
常務の冗談をかわして、さっそく今日の仕事の確認に入る。
「成瀬の切り替えの早さには、ついていけないな(笑)確かに、それだけ理性的で、冷静だからこそ安心して仕事を任せられるんだが。33歳で部長だなんて、今までに類を見ない異例の大出世だぞ。高田も、そりゃあ手放したくないわけだな.......」
褒められているのか、それとも、からかわれているのか?どちらにせよ、環境が変わろうが、上司が変わろうが、仕事に対して真摯に向き合う。そう決めている。おかげで俺は不器用なたちで、前の会社では随分と、そこが仇になった。
俺の失脚を狙うライバルに、根も葉もない噂をたてられることも、しょっちゅだった。
それでも前の会社の上司である、高田専務は、そんな噂話など一切信用せずに、こんな朴念仁の俺を認めてくれた。
高田専務と今の会社の寺島常務は、元は同じ会社の同期だった。寺島常務が即戦力になるような人材が欲しいと高田専務に相談したことがきっかけで、俺は今の会社にヘッドハンティングを受けた。
ーー何を言ってんだ俺は。仕事中なんだから、集中しろ。
迂闊にも、ふとしたきっかけで彼女のことを思い出してしまった自分に喝を入れて、気を取り直して後ろを振り返る。
「おはようございます」
俺は、さっきの事は聞かなかった事にしてくれと言う意味合いも込めて、わざとらしいくらい爽やかに常務に挨拶をした。
「おはよう。朝からそんなに爽やかな笑顔されると、逆に胸焼けがするな(笑)」
「あははっ、それも、そうかもしれませんね(笑)」
常務の冗談をかわして、さっそく今日の仕事の確認に入る。
「成瀬の切り替えの早さには、ついていけないな(笑)確かに、それだけ理性的で、冷静だからこそ安心して仕事を任せられるんだが。33歳で部長だなんて、今までに類を見ない異例の大出世だぞ。高田も、そりゃあ手放したくないわけだな.......」
褒められているのか、それとも、からかわれているのか?どちらにせよ、環境が変わろうが、上司が変わろうが、仕事に対して真摯に向き合う。そう決めている。おかげで俺は不器用なたちで、前の会社では随分と、そこが仇になった。
俺の失脚を狙うライバルに、根も葉もない噂をたてられることも、しょっちゅだった。
それでも前の会社の上司である、高田専務は、そんな噂話など一切信用せずに、こんな朴念仁の俺を認めてくれた。
高田専務と今の会社の寺島常務は、元は同じ会社の同期だった。寺島常務が即戦力になるような人材が欲しいと高田専務に相談したことがきっかけで、俺は今の会社にヘッドハンティングを受けた。