真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
”カランッ”と、入り口のベルを鳴らして入った店内はクラシックが流れる落ち着いた雰囲気で、お見合い場所にはこの上なくふさわしい場所。
担当アドバイザーさんを通して事前に服装を伝えてあるので、お互いに顔を知らなくても相手が分かる。
私は胸元に桜色のポケットチーフを差した紺色のスーツ姿の男性を探した。
断られるにしても、まずはお待たせしたことをきちんと謝りたい。
私はセピア色の照明が仄かに灯る店内を隅々まで見渡した。
そして見つけた。奥の席に一人で座るスーツ姿の若い男性をーー。
どう見ても彼だよね......。
なんか、すごく真面目そうな人だなぁ。
てか。すっっごい、イケメンじゃない!?
遠目でも分かるくっきりとした目鼻立ち、ツヤツヤの焦げ茶色の髪はワックスで自然にスタイリングされていて清潔感が感じられる。
彼は私が来るまで注文を待っていてくれているのだろう。テーブルには水の入ったコップだけが置かれていた。
私、あんなイケメンをお待たせしていたのね......。
そう思った途端に顔がカァッと熱くなった。
遅刻した恥ずかしさと、情けなさと、申し訳なさで隠れたくなった。
でも、そんなことできるはずがない。
これ以上、お相手に迷惑をかけるわけにはいかない。
私はドキドキと今にも胸を突き破りそうな心臓の鼓動に耐えながら、お見合い相手の男性の席へと向かった。
「......すっ、すみません。あの......っ、失礼ですが、成瀬 広務さんですか?」
「はい。あっ、日野 優花さんですか......?」
彼の声を聞いた瞬間、私は胸を撫で下ろした。
彼の声には少しも不機嫌さが感じられなかった。
むしろ穏やかで余裕さえ感じさせて、そんな広務さんの声に私は大きな安心感を覚えた。
担当アドバイザーさんを通して事前に服装を伝えてあるので、お互いに顔を知らなくても相手が分かる。
私は胸元に桜色のポケットチーフを差した紺色のスーツ姿の男性を探した。
断られるにしても、まずはお待たせしたことをきちんと謝りたい。
私はセピア色の照明が仄かに灯る店内を隅々まで見渡した。
そして見つけた。奥の席に一人で座るスーツ姿の若い男性をーー。
どう見ても彼だよね......。
なんか、すごく真面目そうな人だなぁ。
てか。すっっごい、イケメンじゃない!?
遠目でも分かるくっきりとした目鼻立ち、ツヤツヤの焦げ茶色の髪はワックスで自然にスタイリングされていて清潔感が感じられる。
彼は私が来るまで注文を待っていてくれているのだろう。テーブルには水の入ったコップだけが置かれていた。
私、あんなイケメンをお待たせしていたのね......。
そう思った途端に顔がカァッと熱くなった。
遅刻した恥ずかしさと、情けなさと、申し訳なさで隠れたくなった。
でも、そんなことできるはずがない。
これ以上、お相手に迷惑をかけるわけにはいかない。
私はドキドキと今にも胸を突き破りそうな心臓の鼓動に耐えながら、お見合い相手の男性の席へと向かった。
「......すっ、すみません。あの......っ、失礼ですが、成瀬 広務さんですか?」
「はい。あっ、日野 優花さんですか......?」
彼の声を聞いた瞬間、私は胸を撫で下ろした。
彼の声には少しも不機嫌さが感じられなかった。
むしろ穏やかで余裕さえ感じさせて、そんな広務さんの声に私は大きな安心感を覚えた。