真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
足元を照らす仄暗いアンバーのフットライト。
未開拓の洞窟に潜り込んだような厳かな雰囲気の店内には、カップルや少人数のグループが数組いて、密やかな談笑と共に食事を楽しんでいた。
「ご案内致します……」
メートル・ディに案内された席にはガラスの小瓶にリリーが活けられていて、深紅のテーブルクロスを可憐に彩っていた。
「何食べようか?」
ジークの問いかけに無言のままの私。
「......お任せのコースでいい?」
「なんでもいい」
私は、あからさまにふてくされた態度を見せる。
自分でも十分わかってる。私は、どうしようもなくジークに甘えてる。
こんなこと、広務さんには決してできなかった......。
いいんだ、これで。
ジークはどんな私も受け止めてくれるし、気持ちを楽にしてくれる。彼の前では自分を取り繕う必要もないし、努力しなくてもいい相手。
広務さんとの別れを選んだ、私の選択は間違っていないーー。
「どうしたの?優花?」
「......ん?なに......??」
視線を送った先のジークの目は、哀しみと困惑を含有させて私を見つめていた。
「優花......、大丈夫?」
優しい言葉と共に差し出された大きな手、そのあと指先が私の頬まで届き、ゆっくりと撫でた。
こんな場所で、どうしてこんなことするの?
「泣いてるから......」
そうジークに言われて、私は自分が泣いていることを知った。
「泣かないで.......」
ーー広務さん……っ!
私はジークに涙を拭われながら、胸の中で広務さんの面影を描き続けた。
ジークの優しさを受け入れれば受け入れるほど、胸に沸き起こる、失ってしまった広務さんへの想い。
とめどなく涙が溢れてきて……、辛い。
「これからは、オレが優花を守るから。ずっと」
決意を持ったジークの言葉に、私は反射的に首を縦にふってしまった。
その様子を見届けた彼は、さらに畳み掛けるように言った。
「優花、オレの両親に会ってくれ」
未開拓の洞窟に潜り込んだような厳かな雰囲気の店内には、カップルや少人数のグループが数組いて、密やかな談笑と共に食事を楽しんでいた。
「ご案内致します……」
メートル・ディに案内された席にはガラスの小瓶にリリーが活けられていて、深紅のテーブルクロスを可憐に彩っていた。
「何食べようか?」
ジークの問いかけに無言のままの私。
「......お任せのコースでいい?」
「なんでもいい」
私は、あからさまにふてくされた態度を見せる。
自分でも十分わかってる。私は、どうしようもなくジークに甘えてる。
こんなこと、広務さんには決してできなかった......。
いいんだ、これで。
ジークはどんな私も受け止めてくれるし、気持ちを楽にしてくれる。彼の前では自分を取り繕う必要もないし、努力しなくてもいい相手。
広務さんとの別れを選んだ、私の選択は間違っていないーー。
「どうしたの?優花?」
「......ん?なに......??」
視線を送った先のジークの目は、哀しみと困惑を含有させて私を見つめていた。
「優花......、大丈夫?」
優しい言葉と共に差し出された大きな手、そのあと指先が私の頬まで届き、ゆっくりと撫でた。
こんな場所で、どうしてこんなことするの?
「泣いてるから......」
そうジークに言われて、私は自分が泣いていることを知った。
「泣かないで.......」
ーー広務さん……っ!
私はジークに涙を拭われながら、胸の中で広務さんの面影を描き続けた。
ジークの優しさを受け入れれば受け入れるほど、胸に沸き起こる、失ってしまった広務さんへの想い。
とめどなく涙が溢れてきて……、辛い。
「これからは、オレが優花を守るから。ずっと」
決意を持ったジークの言葉に、私は反射的に首を縦にふってしまった。
その様子を見届けた彼は、さらに畳み掛けるように言った。
「優花、オレの両親に会ってくれ」