真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
すっかり乙女チックモードで広務さんとの出会いを思い返していた私は、ぼーっと眺めた窓の外に見える100円ショップの照明が落ちていることにハッとした。

あのお店が閉店するのは、たしか9時......。

てことは。確実に、もう9時を過ぎているということよね!?

明日も仕事だってのに。

まだ週の半ばだってのに。

早く家に帰って、お風呂に入って、歯を磨いて寝なきゃいけないってのに。

私はコンビニのイートインコーナーで、いつまでこうしているつもり!?

もうホント。好きな男(ひと)のことを考えると、時間なんて忘れてしまうのよね。

てゆうか、広務さんお仕事終わったかな......?

いつも晩御飯はどうしてるのかな?

恋人同士だったら、こういう時きっと電話できちゃったりするんだよね.....。

ああ、切ない。

突きつけられる現実。

彼と私はまだ交際成立していない......。

......せめて寝る前に"おやすみLINE”しよう。

私はテーブルに散らかったコンビニの袋とコーヒーのカップとコンビニ弁当の空を手早く、ひとまとめにしてゴミ箱に”ポンッ”と放り込んだ。

そして、思った。

今のこんな食生活じゃあ、広務さんの奥さんになった、あかつきには料理とかで相当苦労しそう私。

これからは自炊しよう......。

仕事に忙しい彼の食生活を支えなきゃーー。

私はコンビニのゴミ箱を見つめながら、脱コンビニ弁当宣言をして家路に着いた。

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