真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
「ジーク!」

ジークの告白を遮ろうと、私はとっさに声を張った。 

やっぱり知られたくなかった。たとえ広務さんと私がもう別れていて、潔白の身でジークとそういう関係に発展していたとしても。

広務さんには、私は別れた時のまま。思い出に浸り続けている独りの身であると思って欲しかった......。

だけど、もう遅い。

ジークは私の制止を無視して広務さんに向かって話し続けた。

「……と、言いたいところだが、オレは別件でニューヨークに来て、今偶然会っただけだ」

ーーえ?

何言ってるの?

全くのデタラメを話し出すジーク。私は意味が分からず、ジークと広務さんのやりとりをしばらく傍観していた。

「成瀬、お前本当に優花が観光目的でニューヨークに来たと思ってるのか?」

「優花がそう言うんだから、そうなんだろう」

広務さんはジークが一体どういう意図で、こんな質問を投げかけてきたかを詮索するそぶりも見せずに、平静さを保って率直に答えた。

一方で渦中の私はというと、ジークが土壇場で事実とは異なることを言った真意が読めずに混乱していた。

結局、ここまで私からは何も言えないまま。ただ広務さんの後ろに隠れる形で、男同士のやりとりを見届けていた。

私が蚊帳の外状態で、じっと息を潜めていると、それまで広務さんを力強い眼差しで捉えていたジークの視線が動いて今度は私を見つめてきた。

「優花、無理するのをやめて本心に従った方がうまく行く。……友人として言わせてくれ」

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