真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
「目に入ったゴミ、取れました......っ。もうっ、大丈夫ですっ」

うん。本当に、もう大丈夫。

広務さん、ごめんなさい......。

疑ったりして......。

私は、くるりと彼の方に向き直り笑顔を見せた。

すると、同じように。彼も私に笑顔を向けた。

鏡のように向かい合った笑顔に、私は彼と気持ちが通じ合った気がした。

それが嬉しくて、私は又笑った。

すると。私の笑顔を見た広務さんの肩から、力が抜けたのが分かった。

「今日は遅くなって、すみません......」

違う、広務さんは遅くなってなんかない。

「いえっ、私、今日早く来すぎちゃって......っ」

「こんな暑い所で長い時間待たせてしまって、すみません。車の中は冷房が効いているので涼しいですよ。さっ、行きましょう」

「今日、車で来たんですか?」

「はい」

そうか。どうりで、電車から降りて来ないわけだ。

てか、広務さん。車持ってるの?

すごい......。

ーーてか!

車って事は。これから車内という密室に二人きり......!!

< 35 / 315 >

この作品をシェア

pagetop