真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
収集のつかない攻防戦が、しばし展開されるのだろうと私が腹を括った矢先、彼は予想に反して「分かった。優花の嫌がることはしたくない」と、言い爽やかに撤退した。
私は彼が思いのほか早く、踵を返してくれたことに若干後ろ髪を引かれつつも一人で入浴を済ませ、今は洗面台の前で髪を乾かしながら鏡に写る自分と向かい合っていた。
鏡に写った自分は顔つきも、身体つきも。一人前の大人の女の姿をしていて、男性をこの身に受け入れる役目を十二分に果たしてくれそうだ。
だけど私が本当に抱いてほしいのは、大人の女のフリをしている現在の自分ではなく、過去の傷をかかえた小さな女の子......。
その子は今も私の胸の内にひっそりと棲んでいて、大人の女性に成長させてくれるたった一人の男(ひと)を待っているーー。
「お待たせ......」
髪を乾かし、スキンケアを終えた私は彼がパジャマ代わりに貸してくれたTシャツを着て、リビングでソファに座る彼の前に立った。
「優花、俺のTシャツぶかぶかだ。かわいい」
彼は私の姿を見るなり甘く蕩けるような笑顔を浮かべた。
彼の極上の笑顔に胸がキュンとしながらも、彼が「かわいい」と言ってくれた今の自分の姿は、太ももが露わになる丈のTシャツと下着しか身につけていないと思い、私は強い羞恥心に襲われた。
それなのに。羞恥心以上の彼への愛欲が身体を火照らせて、どうしようもなく疼かせる。だから私は、はしたない自分を悟られまいとして、ひたすらに恥ずかしいだけのフリをして”もじもじ”と、俯いた。
「本当、かわいすぎるから......」
男の情欲を刺激するような格好で、俯きながら身体をくねらせる私に、彼は切羽詰まった声を聞かせながら歩み寄ってきた。
私は彼が思いのほか早く、踵を返してくれたことに若干後ろ髪を引かれつつも一人で入浴を済ませ、今は洗面台の前で髪を乾かしながら鏡に写る自分と向かい合っていた。
鏡に写った自分は顔つきも、身体つきも。一人前の大人の女の姿をしていて、男性をこの身に受け入れる役目を十二分に果たしてくれそうだ。
だけど私が本当に抱いてほしいのは、大人の女のフリをしている現在の自分ではなく、過去の傷をかかえた小さな女の子......。
その子は今も私の胸の内にひっそりと棲んでいて、大人の女性に成長させてくれるたった一人の男(ひと)を待っているーー。
「お待たせ......」
髪を乾かし、スキンケアを終えた私は彼がパジャマ代わりに貸してくれたTシャツを着て、リビングでソファに座る彼の前に立った。
「優花、俺のTシャツぶかぶかだ。かわいい」
彼は私の姿を見るなり甘く蕩けるような笑顔を浮かべた。
彼の極上の笑顔に胸がキュンとしながらも、彼が「かわいい」と言ってくれた今の自分の姿は、太ももが露わになる丈のTシャツと下着しか身につけていないと思い、私は強い羞恥心に襲われた。
それなのに。羞恥心以上の彼への愛欲が身体を火照らせて、どうしようもなく疼かせる。だから私は、はしたない自分を悟られまいとして、ひたすらに恥ずかしいだけのフリをして”もじもじ”と、俯いた。
「本当、かわいすぎるから......」
男の情欲を刺激するような格好で、俯きながら身体をくねらせる私に、彼は切羽詰まった声を聞かせながら歩み寄ってきた。