真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
ゆっくりと近づいてくる彼の足取りよりも先に、私のもとへ辿り着いたのは彼の長くて逞しい腕だった。
彼は包み込むように私の背中に両腕をまわし、胸に優しく抱き寄せた。
「ああ......」
私を抱き寄せた瞬間、彼の安堵感に満ちた吐息交じりの声が聞こえて、同時に男っぽい胸板が深く沈んだ。
身体の芯から呼吸をして、大きな安らぎを得たような彼の仕草に、私は胸の奥が心地よく温められた。
広務さんは私を必要としてくれているーー。
そう感じた私は彼への愛しさが溢れて、背中に腕をまわしてギュッと彼を抱きしめた。
すると、広務さんは私の溢れる想いを感じ取り、抱きしめる腕により力を込めた。そして、彼は唇を私の耳元に寄せて静かに囁いた。
「ベッドルームへ行こう」
私は彼の胸に顔をうずめながら無言で頷いた。
これは私からも彼を求めたという、紛れもない求愛のサイン。
”互いに求め合う”こんなにも尊い想いが他にあるだろうか?
母を求める幼心を封じられた私は、今、愛するの男(ひと)が私を求めてくれていることに感銘を覚えている。
意図せず瞼に感涙が、せり上がった。
しかし、たとえ嬉し泣きだとしても。こんなに大切な夜に、涙で水を差すようなことは絶対にしてはいけない。
私は彼を困らせないようにと、今にも瞼から零れ落ちそうな涙を必死で堪えた。
彼は包み込むように私の背中に両腕をまわし、胸に優しく抱き寄せた。
「ああ......」
私を抱き寄せた瞬間、彼の安堵感に満ちた吐息交じりの声が聞こえて、同時に男っぽい胸板が深く沈んだ。
身体の芯から呼吸をして、大きな安らぎを得たような彼の仕草に、私は胸の奥が心地よく温められた。
広務さんは私を必要としてくれているーー。
そう感じた私は彼への愛しさが溢れて、背中に腕をまわしてギュッと彼を抱きしめた。
すると、広務さんは私の溢れる想いを感じ取り、抱きしめる腕により力を込めた。そして、彼は唇を私の耳元に寄せて静かに囁いた。
「ベッドルームへ行こう」
私は彼の胸に顔をうずめながら無言で頷いた。
これは私からも彼を求めたという、紛れもない求愛のサイン。
”互いに求め合う”こんなにも尊い想いが他にあるだろうか?
母を求める幼心を封じられた私は、今、愛するの男(ひと)が私を求めてくれていることに感銘を覚えている。
意図せず瞼に感涙が、せり上がった。
しかし、たとえ嬉し泣きだとしても。こんなに大切な夜に、涙で水を差すようなことは絶対にしてはいけない。
私は彼を困らせないようにと、今にも瞼から零れ落ちそうな涙を必死で堪えた。