真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
「High tensionになったり、渋い顔をしたり......、優花は色々と表情が変わって本当にCharmingだね。きっと感受性豊かで思うことがたくさんあるんだろうね。オレはそんな優花の考えてることが是非知りたいな」

ネイチャーアメリカンのジークは相当、ジャパニーズラブストーリーに興味があるらしい。

私に好きな男(ひと)ができたというと彼は、流暢な日本語でしきりに質問をしてきた。

「で? その男(ひと)とはもう付き合ってるの? ......彼氏なの?」

「ううん。彼とはまだ知り合ったばかりなの」

前好きだった人と、こんな話が出来るようになったなんて成長したな私。

「まだ彼氏じゃないなら。オレにもChanceがあるってことだね?」

ーーえっ......!?

ジーク?? それは一体、どういうこと!?

......と、学生時代ならそう思ってた。

だけど、自分の身の程を知って、大人になった今ならわかる。

これはアメリカンジョーク。

そう思うと、和製ジークフリート王子といっても過言ではない広務さんが、私のような非オデット姫的な女を気に入ってくれたなんて万に一つの奇跡。

その奇跡に大いに感謝しなければ。

彼からLINEが来ないなんて、贅沢なことは言ってられない。

彼からLINEが来ないのなら自分から送ればいいじゃないか。

待つ女は卒業だ。

後で私から広務さんにLINEを送ろうーー。


「じゃあ、またねジーク」

「それじゃあ優花、また」

会話をしながらマンションの一階まで辿り着いた私達はエントランスで別れ、それぞれの職場へと向かった。

マンションから出た私は1分でも早い電車に乗って、早く会社について広務さんへLINEを送る時間が欲しかったので駅まで早足で歩いた。

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