【短編】マイ・ファニー・バレンタイン・デイ
驚いて顔を上げたあたしに、照れ臭そうに鼻を掻きながら呟くあたしの姿の二宮君。

「お前、入学してからだろ。俺、合格発表ん時だから」

そう。

あたしが二宮君を好きになったのは、入学して少し経ってから。

恥ずかしいんだけど、お腹の調子が悪くて、凄い音でお腹が鳴ったの。

教室じゅう響くくらい、ぐるるるる~って。


そのとき、俺の腹時計です~スイマセーンって、ごまかしてくれたのが二宮君。


「正直あん時は誰かわかんなかったけど、名乗らないあたり女子だろうなって思ったから。お前だって手紙で読んでガッツポース決めたし、まじあん時の俺グッジョブ」

「あはは」

二宮君のペースがやっぱり楽しくって、自然と笑いがこぼれた。
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