【短編】マイ・ファニー・バレンタイン・デイ
高校に入る時に耳のラインで切り揃えられてしまった髪、1年かけてやっと肩を隠すくらいまで伸ばした髪、どこいったの?


手に判る感触は、

首のラインをなぞっても、

髪を掻き上げるように頭を撫でても、

まるで男子みたいなショートヘア。


「どう、なってるの?」


なにかがおかしい、そう、触れている手だって、
自分が触れているのに、お父さんとかお兄ちゃんに触られてるみたい。

ハっとしてとっさに首から離した手を顔の前で広げてみた。


「うそ……」
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