【短編】マイ・ファニー・バレンタイン・デイ
部屋中を見回しても、
あるのは男子に人気があるゲームキャラのフィギュアとか、
棚いっぱいのコミックとか、
そんなのばっかり。
「あれかも!」
ドアに向かう角度のついた壁に額縁っぽい木の出っ張り。
その向こうにドライヤーがぶら下がっているのを見つけ駆け寄ると、思ったとおり縦長ミラーがそこにあった。
なあんだ、やっぱり、夢か。
そう安堵したのは。
鏡に映ったその姿が、あたしの片思いしてる男子、二宮君だったから。