冷たい情熱を注いで。
冷たい情熱を注いで。
 「ああ。」
 湊の口癖 ーー。
 彼と出会って、どれくらい経つだろう??
 未だに彼は、私を名前で呼んでくれたことはない。
 見つめてくれたこともない。

 湊の瞳に私が映ったことはない。
 それなのに・・・、
 私の瞳にはいつも湊が映っていて、
 私の心には、ずっと湊が棲んでいる・・・。

 どんどん好きになる ーー。
 ますます熱くなる私の恋心。
 湊に話しかけて、冷たく返されるたびに、
 これは好きのドキドキなのか、それとも、
 悲しくて胸がズキズキ痛んでいるのか分からない鼓動が鳴る・・・。
 
 湊への恋心が燃え上がり過ぎて、やがて燃え尽きてしまいそう。
 灰になったら彼へ想いを伝えることは、できなくなる・・・。
 嫌だ ーー。
 
 振り向いて湊・・・。
 
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