世界が思いどおりになったら1幕「覚醒」

2 恵まれた奴

「おはよーぉ おはよぉー」

朝から元気な声が
聞こえる
友人の健二だ
親父の後を継いだ

二代目の不動産屋だ

「ご苦労さん、ご苦労さん朝から血糖値下げお疲れです」

まるまる肥えた
体とボンと張り出した
おなかを揺すりながら
入ってきた


たばこは一日
3箱以上

酒はほとんど毎日

カツ丼をご飯に
唐揚げ定食をおかず
に飯を食う奴だ

なのに健康診断
で一度も引っかかった
事が無かった


「無駄だって下がらねーよ」

冗談とも本気とも
取れない軽口をたたいた

いつもなら軽く
受け流す所だが

今日は顔面強打で
その余裕が無い
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