世界が思いどおりになったら1幕「覚醒」
事務所に着いたら
電話が鳴っていた

出るか?いやどーせ
ろくな電話じゃ無い
トイレが先だ

今日は朝から気分がいい
車も調子がいいし
右手のシビレもすっかり
とれたし、こころなしか
体調もいい気がする

そんないい気分を
いやな電話で壊されたくなかった

トイレから出るとまだ
電話は鳴っていた

なりっぱなしだった

はー 

100%いやな電話だ

しかたないので私は出た

「もしもし」

「もしもしおはようございます、佐々木です。鈴木健二の秘書の」

健二の秘書が朝から
なんだ

「はい、久しぶりですね」

「時間がありませんので用件だけ、おつたします。昨日は、うちの鈴木とご一緒されていた事にしてください」

「えっ何、なんですか?チョット意味が」

一方的な話に何を言ってるのか
理解できなかった

「会社が終わった後、お二人で居酒屋で飲んでその後スナックへ行きサウナに入って帰った事にしてください。内田様の奥様にも話しを合わせて頂くようにお伝えくださいとの事です、くれぐれもよろしくお願いします」

それだけ言って
一方的に電話は切れた

多分昨日のアリバイ
工作だな

鈍感な私でもすぐ
解った

すぐ自宅に電話した
この時間ならまだ
ママはパートに行っていない

「もしもし俺だけど、健二の嫁から電話きたら昨日は俺は健二と飲んでいた事にしておいてくれ、わけは帰ったら話す」

とまどいながらも
私の勢いに押されて

「解った」と返事が返ってきた

めんどーな事起こったなぁ
私は電話を見つめてそう思った





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