世界が思いどおりになったら1幕「覚醒」
「おはようございます、今日からお世話になる内田です」

時間は午前4時だ
競りは5時から開始
だそうだ

それまでに魚を分別仕分け
するのがバイトの内容だ

初めて知ったのだが
漁はなんでもかんでも
網で捕ってくるのでは無い
そうだ。

季節ごとの旬の魚をねらい
捕るのだがどうしても他の
魚も混ざる、それを外道と
言うらしい

どんな高級魚でも狙った
獲物以外は外道なのだと言う

外道も数が出れば競りに
かける事もあるが、大体が
廃棄するそうだ

廃棄すなわち捨てる事なので
関係者はいくらで持って帰る
事ができた

「よぉ、あんたが内田さんかい?」

周りの漁師と比べると
二回りも若く見える若者が
話しかけてきた

「俺、安田、やすって呼んでくれよなみんなそう呼ぶからしばらく俺があんたに仕事おしえっから何でも聞いてよ」

まだニキビが目立つ
顔で笑いながら やす は言った

「あっやす君よろしく頼むよ」

「”やす”でいいって」

「よろしくな安」

「あいよ」

「じゃっ さっそく、この種類の違う魚をこっちの水槽にいれてよ」

よくみるとイワシの中
にアジやその他の小魚が
混ざってる

それらの作業が終わると
競りが始まった

その後競りの手伝いや
積み卸しの手伝い掃除

作業が終わったのが8時
だったたっぷり4時間
なれない事もあって相当きつい


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