世界が思いどおりになったら1幕「覚醒」
「今日、雪ちゃんに相談してみようと思ってるんだ」

漁協の事務の女の子で事務のほとんどを任されていた

化粧っけが無い顔に、黒いめがねをかけてダボダボの事務服を着て髪を後ろに束ねていた

田舎の事務員と言えば誰もが想像できる容姿だった

「雪ちゃんに頼めば雑用ぐらいなら世話して貰えると、思うけど・・・内田さんからだ大丈夫なの?なんかの病気なんだろ」

「うん大丈夫だよ」

「無理するとかえって家族に迷惑かけるぜ!」

この男はなかなか
しっかりしてる、リーダーの器がるのかもしれない

しかし体の調子はけっして悪くなかった、以前より調子がいい

多分朝早くから
体を動かしてるせいだ


「所でこないだのオーディションどーだった?」

某有名レコード会社が
新人スカウトキャラバンを行い、安たちのバンドは
予選を勝ち抜きオーディションを受ける権利を獲得した


「落ちたよ、君達のバンドは華が無いって言われたよ」

気の毒なくらい肩を落として安は言った

まずい事聞いたなぁ失敗した

「いや、すまん、元気だせよ。あのな素人の俺が言うのも何だけど安達のバンドすごい上手いよ、センスも有ると思うけど一度歌謡曲みたいなの作ってみたらどうだろう」


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