世界が思いどおりになったら1幕「覚醒」
「内田さーン」

看護婦に呼ばれたので部屋に入った

「じゃ血液取りますね、終わったらこのコップにお小水をいれて出してくださいね」

何度となく聞いた言葉だった

今日は定期検診をかねた薬の補充日だ

病気てんこ盛りの私の月一度有る行事だった

血液検査と薬代と診断で約1万5千円かかる

今日はどうしても1万円足りなくて、情けないことと思いながら

祖母が死んだとき形見分けで貰った財布に入ってた一万円を持ってきた

古い一万円だったので
銀行で両替してもらった

この病院は、以前かかっていた病院から紹介された糖尿病専門の病院だった

体型や生活習慣から
何故糖尿が出たのか解らないと言って専門の病院で診察
を勧められて依頼、かかっている病院だった

前の病院と違い完全予約制なので待ち時間は無かった

ただ血液検査がその場で解るのでその待ち時間のみですんだ

「内田さーん診察ですお入りください」

診察しつに入るとすでに先生が座っていた

いつもならだらけて後
から入ってくるのに

「内田さんまことにすいませんが、もう一度血液取らせてください」

私がえって顔してるのを見越して



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