世界が思いどおりになったら1幕「覚醒」
「どうした安、話って何よ」

なんかいいことが有ったのは確かだが、何があったのか検討もつかないでいる私に安は

「内田さんのおかげだよ、デビューが決まった」

今にも泣きそうな顔で安は言った

「何落ち着いてなはして見ろよ」

「うん」

「内田さんに言われた事メンバーに話して一曲だけ歌謡曲やろうって、ダメならあきらめてロックだけでいくって約束して曲作ってデモデープ送たんだ、あゆがいるレコード会社へ」

がんばり屋さんだな安は、心からそう思った

「そしたらしばらくして、手紙が来ていつでもいいから生の演奏聞かせてくださいってメンバー全員の往復の交通費が送られてきて俺たちすぐ行ったよ、なんか10人ぐらいの人の前で演奏させられて、面接みないな事やって」

よほどうれしかったのだろう、安は涙目になっていた

「うちから、デビューする気は有りませんかって言われた」

「すごいじゃないか、安、おめでとう」

すでに涙をおさえられずに安は泣いていた。こっちまで涙目になった
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