世界が思いどおりになったら1幕「覚醒」
漁業組合のシステム打ち合わせの日が来た

約束の時間に本部へ行くと担当の河合さんとシステム担当の雪がいた

こっちへ来る雪はニコニコしていた、思わず抱きついてくるかと思い

目でやめろと制した、雪はわかっていますと言うそぶりで

「お待ちしていました、こちらへどうぞ」

と事務的な声で言った

「初めまして河合です、今回はよろしくおねがいします」

「内田です、こちらこそ」

「コレが資料です、前のソフトハウスの基本設計書と今回追加して頂きたい
内容です、これ見て頂いて、だいたいのお値段をお聞かせください」

30分ほど資料を見ておおよそ20人月と判断した、1人月60万なら相場よりじゃっかん安いだろう

人月とはソフトを作る時の見積もり方の一つで自分が一人で作ったら何ヶ月で

完成すかで見積もる。荒い見積もりの方法だが、だいたいでいいなら一番
簡単な方法だが有る程度の経験が無いと出来ない

予備費を入れて

「おおよそ1千5百万ですね、もちろんハードは別ですが」

河合は雪の顔を見た。雪はほらねって顔をしている。
< 75 / 136 >

この作品をシェア

pagetop