世界が思いどおりになったら1幕「覚醒」
「一つだけ欲しい物が有るんです、おそろいのピアス」

なんだってピアス?指輪もしたことないのに

「いやそれはまずいよ、いいオッサンがピアスなんて」

「出来る事ならなんでもっていいましたよ、あたし無理言っていません

ピアスってはずせるんです、小さな穴だからはずすとほとんど見えませんよ、あたしと

一緒の時だけつけてください」

なんでもいいと言った以上引っ込みがつかなかったはずせば分からないならいいか

「よし!いいよ」

雪は信じられないような喜びようだった、周りに人がいるのに今にもキスしそうな

勢いだったので

「あの店に入ってみよう」

少し先に有った新井宝石店と看板がかかった店に入った

あまり広くない店内だが綺麗にデコレーションされていて高そうな貴金属が飾られていた

品数は多く無かったが、どれもこれも目が飛び出るような値段だった

こちらの心を見越したように店主が

「うちは本物の宝石しか置いてないんですだからお値段も張りますが最近は本物を見られる人がいなくてさっぱり売れません今月で閉店なんです」
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