終わりで始まる進化論~第一部~
落ち着こうと何度も自分自身に言い聞かせながら、微かな期待や恐怖を持ちつつ声をかける。
「の、ノア……?」
返事はない。勿論ノアならばナツキの声は届かないので意味はないが、この状況を整理するには誰かの確認を取りたかった。
「もう。他の子の名前呼ぶなんてダメだよ。ほら、こっち向いて……」
流暢に喋る事からノアではないとナツキは気づいたら瞬間に、ルームライトに手を伸ばして明かりを付ける。
「シノミん…………え?」