終わりで始まる進化論~第一部~
それからまもなく、ナツキの部屋の側で男の驚くような声が聞こえてきた。
恐らくは目当ての人間の所へ向かったのだろう。
が、勢いよく扉が開いてシノミヤとリュカが飛び込んできた。
「シノミん、悔しくないの!?将来のパートナーの霰もない姿を他の子に見られて!なっつんに悪戯されるなんて、ボクもうお嫁に行けないよ」
「知るか!だったらナツにでも何でも責任取って貰え!俺の部屋に乗り込んで来んな、鬱陶しい!」
本人を目の前に勝手に押し付けあいの様な論争を繰り広げる二人に、眠りを邪魔されたナツキも苛立ちを募らせていく。