終わりで始まる進化論~第一部~

「リュカ、お前部屋に戻れ」




先ほどよりも冷静な口調だが、確実に話題を切り上げようとする強い脅迫を持ってシノミヤがリュカを睨む。





一瞬その視線にやはりどこか悲しげな表情を浮かべた彼(彼女)だが、珍しくシノミヤを睨み返す。





「どうして?なっつんだって、ここに居るって事はボクらと同じだよね?それなのに、言っちゃだめな事があるわけ?なっつんにこれだけ協力して貰っておいて?こっちは手の内を見せないんだ?変だよ、シノミんも、所長ちゃんも、秀吉くんだって、皆変だよ!」





「……部屋に戻れ」




「嫌だ!なっつんだって……ううん、なっつんだから、知る権利があるんじゃ……っ」




その訴えの最後を聞く前にシノミヤは、恐らく自室から持ち出し隠し持っていた銃を握っていた。




そして、紛れもなくその向きはリュカの額へと向けられている。





「戻れっつってんだろ」
「シノミヤ!」

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