終わりで始まる進化論~第一部~
「第二形態人種(セカンドタイプ)で負った傷は治ってきたか?」
「え……、ま、まあ……だって、あれから、それなりに時間だって経ってるし」
「そんなはずねえんだよ、普通ならな。お前の足は治るはずがねえ……」
「は……?何言ってるんだよ、シノミヤ」
「所長がお前の足を見たときに、お前の足は……完全に壊死してたらしい。だとしたら、治る事も痛みも感じることは無かったはずだ」
壊死……?何を言っているのだろう。ナツキにははっきり言ってシノミヤの言っている事が理解できない。
それはそうだ、もしシノミヤの言葉が本当なら、こうして立つことさえ出来ないはずなのだから。