終わりで始まる進化論~第一部~

彼はそこまで話終えてから重々しく息をつく。





「その実験の第一被験者がノアだ。あいつは、俺らが作り出し生まれ変わらされた対進化生物人種(ハーフタイプ)と呼ばれている、俺らとは能力も格段に違う別の生き物だ。そして、このハーフタイプの人種は、この組織の中に何人か居る」






つまりは、何人もシェルズ・コアに入り粘液に溶かされるような人間としての苦痛を味わっている。






そんな実験がいくつも行われていたなんて正気の沙汰ではない。





それが命令ならば尚更だ。






「まさか……シノミヤや、羽柴さんも?」
「いや、俺は入ってない。所長は知らねえが、恐らくは入ってねえと思う」






「そっか。……シノミヤ」





「何だよ?」





「俺、ちょっとあの子と話してくる」





許してはいけないと言う気持ちも勿論ある。でも、ノアが教室にいなかったら、自分はどうなっていたのだろう?






そんな考えが、頭が冷えてから、ようやく浮かんでくるようになった。





そして、それは同時に行動を起こさなければならない気もしていた。





「話すってどうやって?言っただろ?伝わらね……」
「それでも、伝えてくる」







ナツキはシノミヤの部屋を出て、ノアを探しに向かった。
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