終わりで始まる進化論~第一部~
「ただし、ただ突っこんでいく訳じゃありません。取りあえずストッパーも都合よく外れてくれたみたいですし、付けてみてください」
外れたネジはストッパーの役目だったらしく、ナツキが足を入れると完全にフィットしたサイズへと収縮する。
「シュタールアイゼン起動、操縦者(マスター)ヲ認証シマシタ」
機械音のアナウンスまで組み込まれており、近未来的な武器の感じである。
全体的に黒の装甲でラインがライトブルーに光っている。
「おお、何か近未来っぽい!よし、それじゃあさっそく!うわぁぁ!」
一気にテンションを持ち直しシュタールアイゼンを動かそうとしたものの、地面から一ミリたりとも動かずに、ナツキはバランスを崩して顔が大根おろしの如く地面に擦られてしまった。
「あ。言い忘れてましたが、かかと付近のダイヤルで出力を調節してください。加速装置(スラスター)が稼働します」
「早く言ってよ!」
稼働されていない時は、シュタールアイゼンと呼ばれるこの靴はとてもじゃないが歩くのさえ困難な重さである。
本当にダイヤルのみで動けるのだろうか?
「それでは、第一試合はナツキ君とシノミヤ君にしましょうか。ノア君は不戦勝で一時休憩です」