終わりで始まる進化論~第一部~
「シノミヤ君のライフルと、君のシュタールアイゼンは根本的に造りが違います。君のシュタールアイゼンは、生命エネルギーなどに影響しているんです」
「どういう事ですか?」
ナツキは理解出来なかったのか、不思議そうに問い返すと続きの説明はシノミヤが口を開く。
「ロールプレイングゲームのMPだと思えば良いんだよ。必殺技とかやれば、減ってくだろ?お前のシュタールアイゼンは、通常攻撃をした時点でお前自身のエネルギーを消費する。つまりは、攻撃力はでかいが、燃費は悪いって事だ」
「対してシノミヤ君のライフルは攻撃でシノミヤ君のエネルギーが消費される訳ではありません。威力はシュタールアイゼンより弱いですが、ダメージを受けない限り消費される事はないんですよ」
「え!じゃあ、俺はダメージを受けなくても戦えなくなるんですか?」
「まあ、そう言う事です。消耗し過ぎればシュタールアイゼンは起動前の状態に戻ります。この意味は分かりますよね?」
羽柴の言葉でぎくり、と肩が震えてしまった。
シュタールアイゼンの起動前は動くことも出来なくなるほどの重量なのだ。
戦うことはおろか、逃げることすら出来なくなる。
「ちなみに、ノア君の刀も特殊な武器で君のシュタールアイゼンと良く似ています。名前は白樺(しらかば)と言います。特殊な武器はいくつか私たちの組織の人間が持っていますが、それでもとても稀少種なのですよ。唯一無二の武器ですから」