終わりで始まる進化論~第一部~
いきなりアリスの肩に乗っている花が甲高い声で鳴き始めた。ナツキは耳を押冴えようとした所で、手首を掴まれてしまう。
「敵襲よ!黙ってついてきなさい!」
「うわっ、え、え?!」
アリスの意味を理解するより早く強引に廊下を走らされていた。目覚ましのアラームの様に、マスコットの鳴き声は大きくなってきて耳が痛い。
厨房の前を通りかかると、既にシノミヤも銃、ノアは白樺を手にして待機している状態だ。
「タイミング悪いな、あんたも。東部(あっち)から、連れて来たんじゃねえの?」
皮肉めいた口調でアリスに挑発を向けるシノミヤは砕けた敬語すらも使わなくなっている。
シノミヤの言葉に鼻をならしながら腕組みして、アリスが状況を問いかけた。
「最高のタイミングよ。あんたらにあたしの実力を知らしめるチャンスだもの。今から上司への敬い方でも学んでおきなさい。羽柴、何体いるの?第二形態人種(セカンドタイプ)は」
「え!?」
背筋に冷たいものが伝うように体が冷えてくるのを感じる。血の気が引く、という感覚を直に味わってる気持ち悪さ。
シノミヤとノアの表情も自然と引き締まっている。士気が高まっている状態で、羽柴が口を開いた。