終わりで始まる進化論~第一部~

針にはナツキの赤い血液が付着し、先端から地面に滴として滴り落ちる。
羽柴の状況を求める声も、ナツキの耳に遠く聞こえてくるだけだ。




痛みは勿論だが、体が焼けるように熱いのだ。
心臓の収縮が体中に伝わって来るが、明らかに握りつぶされるように息苦しい。





早く羽柴に連絡を返さなければと冷静な自分自身がいるにも関わらず、唇は動くものの言葉を発することができない。




身体が痙攣し始めている。冷静な自身は間違いなく命の危機だという事を理解していた。




(このまま、死ぬのかな……)




学校のクラスメイト達の顔が浮かんでくる。そして、楽しい高校生活の日々も。




友人に、母さんに、また会えるならばそれも悪くないかもしれない。




そうすればきっと……。


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