終わりで始まる進化論~第一部~

それだけ伝えたシノミヤはナツキの部屋を去っていく。
皆で会食が進められていた頃だろうか、先ほどのシノミヤの代わりにノアがナツキのご飯を運んできた。





ナツキはその配膳された料理を見た時に、羽柴の意図が少しだけ分かった気がした。




野菜の一つ一つに飾り切りが施され、鮮やかな色のソースがかかっている。

これを本当にノアとシノミヤの二人で作り上げられた物なのだろうか。
一つの作品のように見える料理を見て羽柴はシノミヤ達に手を込んだ物を敢えて作らせたのではないかと思った。





料理を〝目”で楽しむことが出来るように。





もしかしたら、アリスの拒絶的な時間を少しでも楽しいものに変えようとしていたのではないだろうか?




勿論、これはナツキの考えでしかないし、問いかけた所で羽柴は何も答えてはくれないだろう。



それでも、ナツキはそう思いたいと思った。




その日の会食の料理をナツキは綺麗に完食した。
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