終わりで始まる進化論~第一部~
「見てください、ここ!蝶のような化け物が写ってて、ほら!これ、この小さく写ってるのは、間違いなく人間ですよ!」
しかし、苦々しい表情を浮かべた編集長は全く首を縦に振るどころか、ネガを俺の方に返してきた。
「悪いがこれは載せることは出来ない」
「な、何故です!?これは、特撮なんかじゃない!紛れもないここで起きた事件なんですよ!それなのに……!」
「それなのに、じゃなくて……それだから、載せられないんだよ。諦めなよ、お兄さん」
聞き覚えのない声に振り返れば、俺のデスクの上に座り込んだ白衣に身を包み大きな帽子を深々と被った人間が、悠々と棒付き飴を舐めながら指摘してくる。