終わりで始まる進化論~第一部~
少年か女性か、容姿の見分けはつかないものの、どこか馴れ馴れしい態度や自身のデスクに座る図々しさがいちいち癪に障る。
「諦める?何でお前にそんな事言われないといけないんだ!大体部外者だろうが!警察呼ぶぞ!」
「残念だけどボクは、そこの編集長さんに招かれて来てるのさ。だから、お客さんって言うのかな?お得意様?うん、そんな感じだね」
「は?」
お客さま、だと?俺は編集長に視線を移すと、編集長は短く結論を告げる。
「そう言う事だ。この件はこれ以上は打ちきりとする」
「編集長!こんな訳の分からない奴を信じるんですか?!」
「違うよ。ボクを信じたんじゃなくて、編集長さんはもっと偉い偉い人の言うことを聞いたのさ。ほら、記者さんならそう言うのは察してよ、ね?まさか、真実をあかすー!なんて青臭い事いわないでしょ?クビ飛んじゃったら困るもん、ね?お兄さん」
呆けた俺の口に無理矢理に棒付き飴を押し込んできたそいつは、白衣の袖をヒラヒラと振りながら去り際に子供のような微笑みを浮かべて名刺を差し出す。
「あ。クレームあるなら、そこに書いてる名前。秀吉君にまで連絡してね。電話番号も載せてるから。それじゃ、ばいばい」