終わりで始まる進化論~第一部~
「来ていたんですか?リュカ君。ちょうど良かったです。君に少しお伺いしたい事がありまして」
本部へと入った忙しかったにも関わらず微笑みを崩さないままの羽柴にリュカは出迎えられた。
しかし、何だろうか?微笑みの中でも明らかに冷えきっているこのオーラは。
口許は微笑んでいるが、羽柴の特徴的な碧眼はまったく笑ってはいない。思わずナツキは小さく悲鳴を上げたほどだ。
「あ。久しぶり、秀吉君!え?何?聞きたいことって」
「私の名前を勝手に出してクレーム担当にした様ですが、この手の処理は西部のお仕事でしょう?」
「えー。ボクだって仕方なく現場に出たんだよ。本当なら所長ちゃんがしっかりしてくれなきゃいけないのに、ボクだけが尻拭いなんて嫌だもん。お兄ちゃんの処理は弟の秀吉君のお仕事でしょう?」