終わりで始まる進化論~第一部~
「……分かった。ただし、探しに行くだけだ」
「え?良いの?デート、良いの?」
「探しに行くだけっつってんだろうが!」
目を輝かせてはしゃぎ回るリュカとは対照的に、シノミヤは一気に老け込んだ様に疲労しきっているように見える。
ナツキもさすがに同情してしまうものの、役不足なのでフォローしきれない。
だけど、目の前でテンションが上がっているリュカを見ていると、どこか羨ましくもあるのだ。
デート、なんていうのは、魅惑の響きである。好きな子と行けるならば、どれ程楽しい時間になるだろう。
だからと言って、少年としたい訳では無いのだが。
「あ!シノミヤがリュカ君と出かけるなら、俺もノアとどこか行こうかな」
「は?何でそこで、お前とノアの話が出てくんだよ。そもそも、お前怪我治ってねえだろうが」
「もう歩けるし問題ないよ。いつまでも動けないのは身体も鈍るし、これから先それじゃ駄目だと思うし」