終わりで始まる進化論~第一部~
「あの、どうすんの?お兄さん達」
このやり取りに一番痺れを切らしている呼び込みの男や、中のウェイター達の急かす声によって一先ず招かれた席へと向かう事にした。
案内された席には既に二人の女が座っている。どちらも露出度の高い服を来た派手な容姿の女たちだ。
リュカの反応はますます不機嫌なオーラを発していく。
そんな雰囲気をまったく読もうとしない女たちは、金髪碧眼の少年への物珍しさから質問攻めである。
「可愛い!お兄さん、いくつ?」
「もしかして、こういうお店初めて?」
「別に初めてじゃないし、何歳でも良いじゃない」
「えー、知りたい。教えて欲しいなー」
可愛いだのなんだのと盛り上がっている中で積極的な女性を苦手とするリュカの態度は変わらない。
シノミヤも辺りを見渡しながら、探し人が居なければ退店しようと思っていた時。
「おう!何でも好きに飲みゃええ!じゃんじゃん持って来い!」
豪快な笑い声にシノミヤの手が止まる。まさか、本当にこんな所に居るとは思わなかったが、一人席を立って声の主の方へと向かっていく。
仕切られた中で何人もの女性の中に居る一人を見つけたのだった。