cold tears
Ⅲ
1週間後。
「ルカ〜、今日の合コン一人足りなくてさ、私とルカ両方駆り出されるんだって〜もう最悪だよね〜。」
「合コン?聞いてないけど...。」
「うちの学部の女子強制だとさ。もう迷惑だよね〜。」
強制って...。
うちの学部は理系でただでさえ女子がいないのに...。
「まぁ、政人くんのこともあるし、行きたくなかったらもう全拒否しなよ?ルカなら何にも言わないと思うし? 」
もう、3ヶ月も経ったんだし、少しずつ受け入れていかなきゃダメだよね。
「うーうん。行くよ。気分転換になるかもしれないし...さ。」
そう言うと、嬉しそうにニッコリと笑った美奈。
「ルカがいたら私も安心〜まだ楽しめる〜。」
その夜、渋谷のお洒落な居酒屋で始まった合コン。
気分転換に、と思ったのだが、予想外に退屈だった。
医学部の何とか君、法学部の何とか君、その他諸々、絶え間なく話しかけてくるが、あまり気が乗らない。
「ごめん、やっぱりそろそろ帰るね。」
小声で美奈に言うと、任せて、と言って鞄を渡してくれた。
「ルカが体調悪いらしいから、今日は帰るって。その分、残りの女子が頑張っちゃいま〜す!」
美奈が笑いに変えてくれて、私はそそくさと店を出たのだった。