cold tears





「ねぇルカちゃん。また気が向いたらさ、ライブ来てよ。

……あぁ、勿論無理にとは言わないけどさ。


......この前何があったとか聞かないからさ、今度はちゃんとルカちゃんまで俺らの音楽、絶対伝えるからさ......。」





私が考え込まないように、何でもないことのように言う牧田さんに少し揺れている自分がいた。



もう1度行ったところで、そんな簡単に変わらないかもしれない。




また同じようにただ時間が過ぎていくのが怖い。




けれど、結局曖昧に言葉を濁してしまった。




それから少しの間、沈黙が続いていた。





沈黙を破ったのは私でもなく、牧田さんでもなく、彼の携帯電話。





電話の相手を見て、私にごめんと軽く手を上げて、牧田さんは店を出た。







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