cold tears
Ⅵ
結局、翌朝まで絵美さんと飲み明かした。
私と出会う前の話だったり、絵美さんの友達や彼氏の話だったり、もうお酒の力も加わり、政人の話をしたりもした。
飲み過ぎてかなり頭が重いが、精神的な面では、軽くなったような気もする。
結局誰かと深くまで話したかったのかもしれない。
まぁ、勿論今の心境みたいなものは口から出ることはなかったのだけれども。
そして、世間は休日だというのに、朝から仕事だと言う絵美さんを駅まで見送り、東京の街をふらふらと彷徨う。
朝日が差し込み少しずつ明るくなったこの街を2人で歩くのが好きだった。
懐かしいのか寂しくのか分からない、感情が迷子になったよう。