cold tears





温かいコーヒーが全身に染み渡る。



残っていたアルコールがじんわりと抜けていくよう。



ふぅ、とひと息ついていると、牧田さんはトーストを一口齧り、徐ろに口を開いた。




「初めて見たの、ここだったんだ。」




え?何のこと?




「ルカちゃんを見たの。」



え?私この店に来たことないけど。





「ここでモーニング食べてる時にね、凄く綺麗に泣いてる女の子を見たんだ。」






ここの窓からだよ、と指を指して言った。







< 24 / 43 >

この作品をシェア

pagetop