cold tears
「なんで泣いてるんだろうとか、泣き崩れないかなとか、あの一瞬で色んな想いが生まれた。でも、君はそれ以上涙を流さなかった。何でかわかんないけど、凄く惹かれたんだ。」
少し静かな間があいた。
「だから、ライブで見かけた時はね、運命だって思った。」
ふはは、まぁ、俺の顔すら覚えてくれなかったけど?と彼は優しく笑った。
「ねぇ、もうこうやって偶然会うのも3回目だし何かの縁だよ、そろそろ話してよ。俺、もっとルカちゃんの事知りたい。」
いつだって優しく笑うのに、目尻を下げて寂しそうに笑うから、私は何も言えなくて。
でも、このまま誰かに話したら楽になるかも、とも思って。
気付けば、私の口はゆっくりと開いていた。