cold tears
「ルカちゃんっ!」
私を呼ぶ声。
はっと視線を上げると、目を真っ赤にした女が2人。
政人の姉の絵美さんと妹の美瑚ちゃん。
「あの......政人は......。」
私がそう言うと、堪えきれずにポタポタと涙を落とす2人。
「......雪崩に......巻き込まれて......見つかった時には......もう.........ぐすっ......ダメだった...って。」
絵美さんが言った言葉を1つずつ反芻する。
ダメだ、頭が働かない。
ただただ受け入れられないまま、霊安室へと向かう。
そこにいたのは間違いなく政人で。
私の最愛の恋人、政人で。
冷たくなった政人に涙の痕が残っていた。
その痕を見て、もう1度、一筋の涙が頬を伝った。