cold tears
Ⅶ
私たちの関係が仮の恋人というものに変わってから、ヒロさんは今まで以上に優しくて、私に笑顔をもたらす凄い人だった。
ただ、
「ルカちゃん、一緒に住まない?」
こんなヒロさんの突拍子もない一言には相変わらずとても驚いていたのだった。
ヒロさん曰く、私が1人で溜め込んでしまうのが心配だとか、毎日会えないからせめて家では会いたいだとか、とにかく一緒に住みたいから、とすごい勢いで丸め込まれ現在同居中。
そうやって、私の100%を占めていた政人の存在の内訳をどんどん変えていく。
ヒロさんに惹かれていく度に寂しさなのか罪悪感なのかよく分からない感情に酷く苦しくなって、心を閉ざしそうになれば、大丈夫と言うかのようにそっと抱きしめて私を引き戻してくれる。
気づかないうちに最早私のスーパーヒーローとなっていた。