God bless you!~第7話「そのプリンと、チョコレート」・・・会長選挙
「永田の奴、クリスマスに彼女に振られちゃってさ」
「げ。マジで?」
プレゼントがしょぼいと、彼女からダメ出しを喰らって別れた……と。
とうとうXデーが。
……と言う事は、新学期は、波乱の幕開けが予想されるという事だ。
新年早々に縁起でもないと、永田を呼ぶのは諦め、男2人、黒川ご推薦の〝中二病でも恋がしたい!〟を鑑賞しながら……いや、俺としては〝探偵はBARにいる〟が良かったんだけど……と愚痴を噛み殺しながら……これで永田の選挙に向かう闘志がしおれて自滅してくれたら言う事無いんだけどな……そんな事を考えて、ほくそ笑む。映画が進むにつれ、思った以上に面白い自滅女子らのやりとりに、俺は心地よく笑って気を良くしていた。
不意に、
「3列前。県立雨峰」
暗がりの中、黒川が耳元でぷつんと呟く。
何の事かと思えば、「あそこ。3人で座ってる女子が居るじゃん」と、新年早々、相手を物色か。何も考えないで映画を見ようと誘っておいて、これだ。
俺は黒川に肘鉄を喰らわした。
「休みん時くらい合コンの事なんか忘れろよ。てゆうか、ちゃんと映画を見ろって。金が勿体ないだろ」
「ハイハイハイ。ちゃんとちゃんとちゃんと、な」
俺が顔をしかめると、黒川は面倒くさそうにシートに深く沈み込んだ。
その、耳障りな言い回し。
〝あいつ〟を彷彿とさせる。
新学期が始まれば、嫌でも顔を合わせなくてはならない。
例え、あいつにとって今俺が、汚く、ツマんなく、残念な、極悪非道人であろうが無かろうが、避けては通れない……新年早々、考えるのは止めよう。
映画が終わった途端、県立雨峰女子とやらに何とか繋ぎを取ろうと無意味な熱視線を送り続ける黒川を引っ張り、「たまにはオゴれ」と説得(?)してマックに放り込んだ。
テニス部と水泳部の女子レベルはどっちが高いかという下らない比較に付き合った挙句、「水着というだけでプラス5ポイント高いような気がするだけ」というやっぱり下らない結論に至り、帰り道、「新年1発。秋川学院との合コン。もし空きが出たら沢村もメンツに加えてやるよ」と、上から目線で言い渡されて、黒川とはそこで別れた。
映画が無ければ、マジで下らない、何の収穫もない、家に籠っていた方がマシという1日である。
こういう時、使うのだ。
〝閑話休題〟。
「げ。マジで?」
プレゼントがしょぼいと、彼女からダメ出しを喰らって別れた……と。
とうとうXデーが。
……と言う事は、新学期は、波乱の幕開けが予想されるという事だ。
新年早々に縁起でもないと、永田を呼ぶのは諦め、男2人、黒川ご推薦の〝中二病でも恋がしたい!〟を鑑賞しながら……いや、俺としては〝探偵はBARにいる〟が良かったんだけど……と愚痴を噛み殺しながら……これで永田の選挙に向かう闘志がしおれて自滅してくれたら言う事無いんだけどな……そんな事を考えて、ほくそ笑む。映画が進むにつれ、思った以上に面白い自滅女子らのやりとりに、俺は心地よく笑って気を良くしていた。
不意に、
「3列前。県立雨峰」
暗がりの中、黒川が耳元でぷつんと呟く。
何の事かと思えば、「あそこ。3人で座ってる女子が居るじゃん」と、新年早々、相手を物色か。何も考えないで映画を見ようと誘っておいて、これだ。
俺は黒川に肘鉄を喰らわした。
「休みん時くらい合コンの事なんか忘れろよ。てゆうか、ちゃんと映画を見ろって。金が勿体ないだろ」
「ハイハイハイ。ちゃんとちゃんとちゃんと、な」
俺が顔をしかめると、黒川は面倒くさそうにシートに深く沈み込んだ。
その、耳障りな言い回し。
〝あいつ〟を彷彿とさせる。
新学期が始まれば、嫌でも顔を合わせなくてはならない。
例え、あいつにとって今俺が、汚く、ツマんなく、残念な、極悪非道人であろうが無かろうが、避けては通れない……新年早々、考えるのは止めよう。
映画が終わった途端、県立雨峰女子とやらに何とか繋ぎを取ろうと無意味な熱視線を送り続ける黒川を引っ張り、「たまにはオゴれ」と説得(?)してマックに放り込んだ。
テニス部と水泳部の女子レベルはどっちが高いかという下らない比較に付き合った挙句、「水着というだけでプラス5ポイント高いような気がするだけ」というやっぱり下らない結論に至り、帰り道、「新年1発。秋川学院との合コン。もし空きが出たら沢村もメンツに加えてやるよ」と、上から目線で言い渡されて、黒川とはそこで別れた。
映画が無ければ、マジで下らない、何の収穫もない、家に籠っていた方がマシという1日である。
こういう時、使うのだ。
〝閑話休題〟。